2012年12月19日水曜日

創生村の今

唐桑創生村の村民のみなさまと全国の応援していただいているみなさんへ。 創生村の村作りについてみなさんにお知らせが遅れていることを申し訳なく思っています。 先ず最大の問題は牡蠣処理工場の建設の大幅の遅れです。年内はおろか完成が来年春になりそうです。 このため剥き牡蠣の出荷ができず、収穫ができません。筏も重くなり牡蠣を吊るす場所を変えたり して本来しない仕事が増えています。 我々創生村漁師はこのような遅れに待っておれず独自に動くことも視野に入れています。 次の問題は地域全体が地盤沈下して、その対策としての嵩上げ工事の影響です。 創生村の敷地周辺が嵩上げ工事が開始されました。全体は気仙沼市の管轄エリアですがこの地続き に創生村があります。 気仙沼市の工事が創生村までおよぶ可能性が大きくなっています。 つまり創生村独自で村作りを進めても後から行政の工事が入ることが予想され、先行して村作り しても壊されることが起こりえます。 みなさまからお預かりしている大切な資金を無駄に使えません。 このような事情で計画の遂行とご報告が遅れていることをたいへん心苦しく思っています。 これからは必ずや前向きのお知らせをしたいと思っています。 どうか変わらぬ応援をお願いいたします。
 
嵩上げ工事をしてから牡蠣処理工場を建設(写真左側)しています。

建設が進まない牡蠣処理工場

港全体を嵩上げ工事しています。
写真の右側が創生村で市の工事にかかることが想定されます。

市の嵩上げ工事を見守り計画を進められない創生村
(整地は済んでいつでもBBQ場等はできます)。

2012年11月28日水曜日

帆立の仕込み

唐桑創生村では帆立の耳吊り作業が最盛期を迎えています。 昨年は種帆立(稚貝)が津波で流されてしまい緊急避難的に北海道から半生貝(1年ほど北海道で 育てた貝)を唐桑の海に吊るしました。 今年は種帆立の採苗(サイビョウ=種を採ること)を行いましたがまだまだ数量が足りません。 そこで今年も半生貝を仕入れて唐桑の海で育てることになりました。 北海道の留萌から出荷された帆立の半生貝は半日かけて唐桑に夜中に到着します。 帆立は雨などの真水に弱く、また太陽の光も苦手です。 ですから夜中に到着後直ぐ作業したり、または早朝からの作業になります。 帆立が弱らないよう時間との勝真剣負になります。 大忙しです。

   
忙しい帆立の耳吊り作業。 もくもくと行います。

帆立の耳(ちょうつがいの端の部分)に穴を開けます。

二人で175歳のおじいちゃん&おばあちゃんも助っ人で作業します。
耳の穴にプラスチック製のピンを刺します。さすが昔とった杵柄!!

耳吊りした垂下ロープです。 自慢げなお母さん。

2012年11月25日日曜日

11.24体験日記

唐桑はすっかり冬の装うになりました。午前中は凪いでいた海も午後は北西の風とともに 波が高くなってきました。 この日は2度目の応援に来ていただいた江戸文化を残す東京下町のグループとS金融機関の有志のみなさんと個人で唐桑にボランティアに来ていただいた人々が集まりました。 寒い一日でしたが参加した方たちの熱意に動かされた私たちは数日前に決めた体験プログラムを逸脱してはりきってしまいました。

生まれて初めて行う牡蠣養殖の作業にびっくり したり感激したり!

種かきを挟み込んだ垂下ロープにご満悦!

挟み込んだ垂下ロープを船に積み込み
いざ養殖漁場へ出発。

挟んだ種かきを筏に吊るして港に戻りました。
「あ~ロープを海に落とさないでよかった~」
というほっとした様子が逆光で見えないのが残念ですが・・・。

サプライズです!!
今日は参加のみなさんの熱意に乗ってしまいました。
体験プログラムになかったBBQを急きょしました。
今シーズン最後の帆立を炭火焼きしました。
直径13cm以上に育った帆立にみなさん「びっくり!」

体験作業が終わるころにはみんな仲間です。

2012年11月11日日曜日

いよいよかき種が到着!

今年のかき種が石巻より到着しました。 唐桑創生村の漁師が中心になり石巻の業者から種を仕入れてきました。 種の状況はこの夏の高水温の影響で種の付きが薄くてあまりできがよくないとのことです。 しかし、そこは創生村の漁師の腕のみせどころです。
薄い(少ない)種を立派 に育てようと意気込んでいます。

港に並べたかき種。壮観な風景です。
 海に吊るさずにこのようにするのは種の育ちを 遅くするためです。
 
これでも例年より種が薄いです。

11月10日体験日記

この日は東京に本社があるS社さんの社員有志の方々が全国・・・北は北海道、南は九州から総勢31名で訪れてくれました。 スケジュールの関係で午後の短い時間に養殖作業と船上からの牡蠣を中心とした養殖の状況を見学していただきました。 作業終了後のあわただしい中、唐桑創生村の説明をさせていただき多くの方々から共感をいただきありがたいことだと感謝しています。
この日は震災以降の復興状況を取材しているN放送の広島放送局の取材が入り、インタビューを受けた参加者たちは今回の体験や震災から立ち上がった状況などの感想を話していました。

牡蠣の養殖作業(耳吊り)を習っています。

9mの垂下ロープの完成です(牡蠣は約240個吊るされています)。

耳吊りした垂下ロープを船に積み込み、筏からおろします。

完成した耳吊りロープを船に積み込むため 浮き桟橋をこわごわと渡ります。

短い時間でしたがはじめての体験に満足されました。 
唐桑のかき・・・好きなってくれましたか。      

2012年10月16日火曜日

創生牡蠣収穫への道! 牡蠣砕き開始!

創生牡蠣収穫へ後半の工程のがついにはじまりました。 昨年の7~8月に種はさみして筏につるして下ろした牡蠣が8~12cm程度に成長しました。 それを上げて、一個々々の牡蠣に分けます。唐桑ではこの作業を「牡蠣を砕く」や「株分け」と呼んでいます。 牡蠣剥き工場があれば大きい牡蠣は剥き牡蠣に回せますがまだ工場がありません。 砕いた牡蠣は耳吊り(一個々々の牡蠣を垂下ロープに付けて、筏に吊るします)を行います。 砕いた牡蠣はみごとに育っています。 早く牡蠣剥き工場ができることを祈るばかりです。

牡蠣砕き作業です。収穫まじかの希望が満ちています。

砕いた牡蠣です。 大きいでしょう。

牡蠣に付いたムール貝と赤皿貝です。
牡蠣を砕くときに一緒に採れます。

ムール貝の酒蒸しです。

赤皿貝です。味は濃厚で帆立より甘いです。
美味しい貝で唐桑では人気です。

2012年10月14日日曜日

10月13日体験日記

この日は朝から強風が吹き荒れました。 天候は晴れたものの風のため海が荒れて船で養殖漁場へ行けるか心配しました。 ところが出航予定時刻になると幸運にも急に風が止みました。 波は多少あるものの無事海に出ることができました。 この幸運は参加者のみなさんの熱意の表れだと思います。
種かきを付着させるための帆立貝の原盤つくり。

かきの耳吊り作業です。仲良く二人で一本のロープにつなぎます。

耳吊り用垂下ロープの完成です。

唐桑創生村で採れた「赤皿貝」を調理しました。
初めての食感にみなさん喜んでいました。

先ほど作った耳吊り垂下ロープを船から下ろしました。
育ったところをまた見てみたいとの声が上がりました。

けがもなく無事終了しました。

2012年10月1日月曜日

牡蠣養殖作業のその後。

前に創生村たよりで紹介した牡蠣養殖作業のその後をお知らせします。 先ずは種かき採取用原盤を沈めてから1ヶ月弱たちました。 その帆立貝の原盤に立派に稚貝が付着しました。 数も適度な量が表・裏に付いて大成功です。 稚貝採取から行い、この稚貝が育ち収穫して純粋100%唐桑産の牡蠣となります。

5mmぐらいの稚貝が適度な数、付きました。

きれいに付いています。
 次は温騰処理(70℃のお湯に浸してじゃま物を除去する)の後3週間たちました。
じゃま物はすっかり取れて牡蠣だけになりすっきりしました。
これで牡蠣はすくすく育ちます。温騰処理の技術ってすごいね。

みごとにじゃま物がなくなりました。

9月29日体験日記

前日までは台風18号の余波で荒れた天候でした。 また30日以降は台風17号が本土に接近してきます。 この29日だけが幸運にも晴れて暑い好天となりました。 11名参加という少数精鋭のみなさんのパワーが悪天候を吹き飛ばしてくれました。 また前日もまた翌日も船で海に出ることは難しかったのですがこの日だけは出ることが できました。 我々も心配していましたがほっと一息つきました。

親子仲良く帆立耳吊り用のピン差し共同作業。

かき種を採取するための帆立貝の原盤つくり。
夏のような気温になりました。

今日の成果です。

いよいよ養殖漁場へ出発!海に出れてよかった~。

初めて見る牡蠣いかだに興味津々。

体験作業が終わるころはみんな仲良しに。

2012年9月25日火曜日

9月22日大勢の方々が来てくれました。

この日、遠くは広島・長野・山梨・関東から総勢74名もの力強い支援の方々が唐桑創生村に来てくれました。 当日の作業は牡蠣・帆立・ほやの養殖の基礎作業です。 唐桑に来るのが2度目・3度目の方もいましたが今回は漁業支援が目的です。 みなさんしずかに(黙って静かにという意味ではなくゆっくりという意味)やりましょうと言っても どんどん作業をこなします。 後半は材料がなくなってしまうほどです。 壊滅した状況から立ち上がって元気に創生する姿を見てもらい、我々のいろいろな話しを聞いて もらいまた多くの声もかけていただきました。 これら全てが我々の勇気となり、おおいな励みとなりました。 遠くの地でも思いは通じます。これからもその思いに応えるよう歩んで行きます。

漁師のお母さんに帆立の耳吊り用ピン挿しを教えてもらう。

牡蠣の種を採るための帆立貝の原盤つくり。 貝に穴をあけて針金で束を作ります。

ホヤの種を採るための罠です。塩ビパイプに 麻縄を巻きつけます。
これがなかなか難しい!

大鍋に牡蠣汁を一緒に作りました。一生懸命作業した
あとの食事が楽しみ!

70名以上の大食事会!壮観です。
牡蠣汁も大好評でおかわり殺到でした。

みなさん一人々々が思いを寄せ書きにして
いただきました。

大集合写真!!

2012年9月7日金曜日

いよいよ牡蠣の温騰処理開始!

牡蠣養殖のクライマックス!! 温騰処理が唐桑創生村で始まりました。 耳吊りされた牡蠣に幽霊ぼや、ムール貝、海草など牡蠣の生育をじゃまするものが多く取り付きます。 これは人の手で取ろうとするとたいへんな労力になります。 そこで温騰処理の出番です。 船に浴槽と燃料タンクを載せ船上で約70℃のお湯を継続的に沸かし、そこに耳吊りされた牡蠣を入れます。 約20秒間浴槽につけると牡蠣以外のじゃまものは死滅しますが牡蠣は死にません。 なんという生命力でしょう。 牡蠣は一週間程度陸にあげておいても生きているというほど栄養を自分の体内に蓄えています。 だからたいへん栄養価が高いと言われています。 温騰処理してから10日程度たつと牡蠣以外のものはきれいに剥がれています。 次回のブログではその様子をお見せします。 この処理をやるとじゃまものを取り除くだけではなく牡蠣が厚く育ち実入りも良くなるそうです。 温騰処理は過酷な作業です。朝出航すると夕方まで帰ってきません。温浴槽の燃料を絶やすことができないため処理中に戻れず連続作業になるためです。 タフな漁師も一日の作業が終わるとヘトヘトになります。 こんなたいへんな作業を見るとますます唐桑の牡蠣に愛着がわいてきます。

温浴槽を船に積み込みます。

耳吊りされた牡蠣にこんなにじゃまものがビッシリ!

クレーンで吊り上げます。

浴槽の上に吊り上げます。

いよいよ浴槽の中へ。

20~30秒漬けます。